6月、ビューティフルに生きて死ぬための

道を歩いている時に、前を歩いている男性がペットボトルをポイ捨てしたのを見た。花屋でたくさんの花が売られているのを見て、家にある花瓶にはどの花が合うだろうかと思いを巡らせた。けれどこれらの出来事が、いつどこで起こったことだったのかを思い出す…

2021 5/24~31

5/24(月) 万年筆で文字を書くのは恐ろしく難しい。バランスが分からない。カッコつけたくて買ったはいいけど、うまく使えるようになる気がしない。でもそれはあまりにも悔しいので、絶対に手懐けてやる。毎日使ってみるべし。 とりあえず今日買ったもののメ…

雨に誘われ

雨に誘われ、トリエステの坂道のページをめくる。じっくりと時間をかけて読んだ一冊は体の中に溶け込み、感性の一部となる。 雨が激しくなった。ペッピーノが自分の傘をトーニにさしかけると、彼は、いいよ、いいよ、というように頭をふって、手にもったカー…

軸はどこにある

サボテンのしまさんの住処である小さな植木鉢に土を足した。昨年の春にしまさんが台の上から転落し、そのはずみで土がばら撒かれしまさんの根っこの部分が露になってなってしまったのを、今の今まで放置してきてしまった。本当に申し訳ないことをしてしまっ…

ケーキを焼く

雨が降っていて出かけるにも出かけられないので、ケーキを焼くことにした。 しかし気が付いたら時計は3時を回っており、雨もすっかりやんでいた。おやつの時間が過ぎてしまい、ケーキを焼くかどうか一瞬迷ったが、体は甘いものを求めていたので決行すること…

落下する午後

今日はずっと家にいたので、外の暖かさを知らずに一日を過ごしてしまった。とても暖かかったとは。そろそろ花粉が気になり始める頃である。 家の中はいつも寒い。殊に自室はシベリアの地さながらだ。一昨年ぐらいまではピンピンしていたヒーターも、今ではピ…

夏の手

祖母は私の隣で、皴のある手で器用にカッターナイフを使い鉛筆を削っていた。 祖母の家は高知にある。周りを山と田んぼで囲まれたそこは、とにかく緑が目に眩しい。幼い頃は毎年夏休みに祖母の家を訪ねていた。長いこと電車に揺られ疲れ切った私と妹と母を、…

ウィストン・キャスター・ホワイト

血迷って煙草に手を出してしまった。煙草なんて流行らないものに絶対に手なんか出すまいと思っていたのに、気が付いたらコンビニのレジで「○○番下さい」と店員に告げていた。恐らく、夏から秋にかけて自分が身を置いていた環境の影響が大きい。(演劇の世界は…

消えない

川のある街と言われて真っ先に思い浮かぶのが日ノ出町だ。 来るたびに日ノ出町を流れている大岡川の側を散歩している気がする。人があまりいないところとか、あとはアーチ型の橋が架かっているところなんかも良い。 昨日、横浜美術館で開催されているコレク…

30分

正月に土手を歩いていたら、背後から"タッタッタッタ"という足音が近づいてきたのでふと後ろを見てみたのだがそこに人の姿はなく、もう一度前を向いたら目の前に角ばった背中と黒い帽子を被った頭があった。あっと思っている間にも背中はどんどん遠くなって…

ツーショットは撮らない

恋人とのツーショットが苦手だ。以前一年半ほど付き合った人がいたけれど、その間に一緒に写真を撮ったのは、たったの二回だけだった。 その二回でさえ私から一緒に写真を撮ろうと声をかけたことはない。いつの間にか相手が構えたスマホに向かって笑顔を作る…

すとんと落ちすぎている肩。大きくはないけれどそれでも確かに丸みを帯びた胸と厚みのある下半身。曲線で形作られている体。それはつまり、私が女であるということ。 体の形だけではない。体の内で生じる変化も私が女であるということを突き付けてくる。月に…

マチルダ

髪の毛の癖が強い。 朝起きるといつも、四方八方好き勝手な方向にぴょんと寝癖が付いている。寝癖が付いている上に、さらにうねりも凄まじいことになっている。髪の毛を水で濡らしてドライヤーをしてからブロッキングして、横、後ろ、前髪とヘアアイロンで丁…

発見

最近、地元が工場地帯であることを発見した。 今まであまり意識してこなかったのだが、地元周辺をよく散歩するようになって、そのことに気がついた。 川沿いから少しそれたところに一歩足を踏み入れると、そこには暗闇の中にカーンカーンという音と煌々と光…

YOUNOME

湯呑 ゆのみ ユノミ you know me you no me YOUNOME 芸名が欲しいと思った。 このまま役者をやっていく時のために、普段とは違う別の名前が欲しいと思った。 けれどもう私が役者として舞台に立つことはこの先ないだろう。100%そうなのかと言われれば、どうだ…